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住宅ローン 借入期間は長いのと短いのどっちがお勧め?
2023年6月現在、住宅ローン最安金利は0.4%を下回る超低金利となっており、バブル絶頂期の金利8%台(借入額4000万円、金利8%、35年返済、元利均等払いで利息約7932万円)もしていた時代と比べると考えられないほどの低金利時代となっています。
返済期間は、3つの比較ポイントから考えることをお勧めします。
- 最大借入可能額
- 毎月の返済額
- 利息総額
まず、最大借入額がどれくらい変わるか見てみましょう。
年収500万円、返済負担率40%、審査金利3.5%とした場合の借入可能額
35年払い 4000万円 30年払い 3450万円 25年払い 2850万円
10年間返済期間が短くなることで、借入可能額が1150万円も下がりました。期間を短くすると必要資金をちゃんと借りられるかが問題になるかもしれません。
次に、月々の返済額を比較してみます。
4000万円を金利0.395%、元利均等払い、ボーナス払いなしの同条件で借入した場合の35年返済と30年返済の毎月の返済額
35年払い 月々101,988円 30年払い 月々117,842円 25年払い 月々140,046円
35年払いと25年払いでは月々の返済が約38,000円も変わります。毎月38,000円の差は大きいですから奥さんとよく相談する必要がありそうですね。
最後に、利息総額を比較してみます。
35年払い 283万円 30年払い 242万円 25年払い 201万円
35年払いと25年払いでは利息総額に82万円の差が出ます。10年間の差額が82万円ですから、平均で年82,000円、月に直すと6,833円の利息差となります。期間を短くして毎月の返済額が高くなるのと、どっちがいいか考えた方がいいかもしれませんね。
ちなみに、低金利時代の今だからこその考え方もあります。それは、団体信用生命保険を死亡保険と見立てることです。仮に、自己資金1000万円、借入額3000万円を返済期間25年として借入し10年後に亡くなられた場合、残債は0円となりますが、当然自己資金1000万円と10年間の支払いが返ってくることはありません。しかし、同じ方が自己資金200万円、借入額3800万円、返済期間を35年として借入し10年後に亡くなられた場合、同じく残債は0円となり、貯蓄は前者よりも800万円多く手元に残ります。また、返済期間35年の方が月々の返済が安い分、貯蓄を増やせているかもしれません。そうなれば残された家族にも資金的な余裕が生まれます。そう考えると、無理に借入期間を短く設定するのではなく、あえて長くしておいた方が良かったということになるかもしれません。
この考え方の目的は、残された家族のために少しでも多く貯蓄を残すことで、あえて自己資金を少なくし借入額を増やしておけば、仮に25年間何事もなければ繰り上げ返済をすることもできるし、貯蓄を減らしたくないと考えたらそのまま35年間借入するなど、選択肢を広げられることがポイントです。
安易に借入期間は短い方が金利が安くていい。と、決めつけるのではなく「何を目的にするのか」をよく考えて返済期間を決めることをお勧めします。より詳細な情報や、実際に自分が借りる場合はどうした方がいいのか具体に知りたいと思われる方はお気軽にご相談ください。
