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災害から学ぶ
平成23年3月11日午後2時46分 東日本大震災発生。
未曾有の大被害をもたらした東日本大震災は最大震度7、マグニチュード(M)9.0の本震に加えてM5.0以上を観測した余震が593回発生した。これは国内観測史上最大、世界でも20世紀初頭からの100年間で4番目の地震規模であった。人的被害は死者15,854人、負傷者6,023人、行方不明者3,276人にのぼり、災害発生後の避難者は46万人を超えるという。いずれも第二次世界大戦後の自然災害において最悪の数字である。
地球上の大地震の約20%が日本で起きていると言われるほど、日本は世界的に見ても地震の影響を多く受けている国だ。そのため住宅に関しては人々の命を守るため耐震性能をより高めることが必要だった。これまで震災で甚大な被害が起こるたびに、住宅の被害状況などを検証し構造の研究実験や建築に関する法令が見直され、改善を重ねてきた。今では日本の住宅の耐震技術は世界でもトップクラスだという。
そのようにして高耐震住宅が生み出された現在でも、課題はある。まずは性能向上による住宅価格の値上がり。構造材の特殊加工や薬剤処理、耐震装置の採用などにより、住宅の単価が上昇し値上がりが起こるのだ。そうすると、次に「高耐震住宅の普及がすすまない」という問題が発生する。
この問題を解決する方法はやはり一番に、いかにして低価格で高性能な住宅を造るかということになる。そのためにはいくつかの方法があるが一つに大量生産がある。規格化された住宅を大量供給することで単価を抑えることと高耐震住宅の普及のどちらも達成することができる。そのためには大規模な事業を手掛けることができる大手企業の力が絶対的に必要となるが、現在多くの住宅メーカーがその責任と覚悟をもって取り組んでいる。
ある企業では、「質と、実。品質へのこだわり・コストへの挑戦」を掲げた家づくりを行っている。工場で建築資材を製造するフルプレカットを採用し、一棟一棟微妙に異なる資材までも可能な限りプレカットし住宅品質を均一化。技量によるばらつきが生じやすい収納などの備付け家具までも、工場で組立てまで行い納品することで高い品質を実現している。施工の際には各工程を分業化し、それぞれの担当が専門的に作業することで効率化と熟練度の向上を図っている。
構造には耐力壁を採用し、建築基準法で定められた壁量の1.5倍に達する性能を誇る。耐力壁の強度が落ちないよう施工で使う釘まで開発するというこだわりだ。さらに、構造の耐久性を上げるために制震装置「SAFE365」を共同開発。実証実験の結果から、なんと最大震度6強クラスとなる120秒間の地震を約200回受けても制震性能は衰えないとされているのだという。
万が一の大災害でもし、住宅に大きな被害がでたら安全面の心配だけでなく、復旧にかかる時間と費用は莫大になることも懸念される。いつ、どんな災害が起こるか分からない昨今、どこまですれば万全と言えるのかは分からないが、価格、安全性を考えてできうる限りの対策をしていきたいものだ。
ライフプランを考える上では、そういった万が一のリスクも想定した住宅選び、マネープランも考えておきたい。
と、小難しく書きましたが災害対策を考えることも大事なライフプランの一つです。災害対策がされている家とされていない家だった場合、もしもの時に、安全面、復旧費用面で大きな差が生じます。住宅選びの際には、光熱費やメンテナンス費だけでなく、災害対策レベルも気にしたいものですね。